優良指定看板が4年で30倍に急増。その背景とは?
京都市は景観政策の一環により、優良な屋外広告物に補助を出す動きを取っております。
昨年度までの指定件数が累計375件と4年前の30倍に急増。本年度も169件の新規指定を決定しました。
急増の背景を調べました。
優良指定看板とは?
京都市は、美しい街並みにする屋外広告物の促進を図るため2007年に「優良意匠屋外広告物」を設定しました。優良な意匠を有し、位置や形態が景観向上に寄与していると認められる屋外広告物に指定されます。
市の審査を通れば、許可期間が「永久」となり屋外広告物申請の更新料が不要になります。
また、1996年には「歴史的意匠屋外広告物」も設定されておりました。
こちらは、景観の維持向上に寄与し、歴史的なデザインを有している屋外広告物に指定されます。
急増の理由
当時全国で最も厳しい、と言われた屋外広告物条例が京都市にて2007年に施行されました。
基準に合わない看板を撤去する企業が増え、京都市の景観は守られましたが、新しい課題が発生しました。
条例が厳しいためか、撤去した看板をそのままにしている、もしくは色味を抑え白系の看板ばかりが増えてしまったのです。
つまり「工夫に欠ける」看板ばかりが、設置される結果となりました。
そこで、市職員が各事業者に「街並みに調和した看板」に付け替える利点を訴えかけました。
また、2012年に「京都景観賞」が導入されたことも大きな要因です。
「京都景観賞」は「屋外広告物部門」「建築景観部門」「景観づくり活動部門」を設けており、優良なデザインの看板を表彰しております。
優良看板が急増した理由として、事業者の認知が進み、制度面も整備されたことが大きな要因だと考えられます。
まとめ
市は今後、屋外広告物の申請に訪れた事業者に対し、制度を紹介し、優良看板を増やす方針です。
京都市に出店している、チェーン店の看板は色味が他の地域と異なります。
京都市を訪れた際に、街並みだけではなく、看板にも着目してみると新しい発見があるかもしれません。